舌下免疫療法外来
舌下免疫療法とは?
免疫療法とは、あらかじめアレルギーを起こすと解っている物質を少量づつ体内に取り入れていき、それによる小さいアレルギー反応を繰り返し起こすことで、長期的な大きなアレルギー反応を抑えていくことを目標としている治療法です。(詳細な作用機序は現在も明らかになっていません)
体内に取り入れる方法として、今までは注射によって行われてきましたが、今回、舌の下の粘膜から吸収させることでより副作用の出現が少なく比較的安全に行える方法としてこの治療法が生まれました。
対象となる方は?
- ①明らかなアレルギーの原因が検査にて解っている方
(現在、日本ではスギ花粉、ダニが治療対象です) - ②一般的な治療法(アレルギー薬など)で改善できない方
- ③注射による治療(皮下免疫療法)ができない方
対象とならない方は?
- ①β遮断薬を服用中の方
- ②開始時に妊娠している方
- ③不安定な気管支喘息の方
- ④全身に重篤な疾患をお持ちの方(悪性腫瘍、自己免疫疾患、心疾患など)
- ⑤ステロイド内服薬、抗がん剤を服用中の方
- ⑥急性感染症にかかっている方
- ⑦自己免疫疾患の合併、既往、家族歴を有する方
- ⑧転居の予定がある、定期的な受診が出来ない方
- ⑨継続的な歯科治療中の方、口腔内に傷や口内炎のある方
治療方法
- 開始時期
- スギ花粉の場合、花粉の飛散前の最低3カ月間の治療が必要とされているため遅くても11月以前に開始する(飛散期は開始しない)
- 治療期間
- 最低2年間は必要とされています
- 施行方法
- 治療薬を毎日1回1錠、舌の下に定められた時間まで置き、飲み込む
副作用
- ①アナフィラキシーショック
- ②口腔内のアレルギー反応(掻痒感、発赤、潰瘍形成など)
- ③じんましん
- ④気管支喘息の発作
- ⑤下痢、嘔吐などの消化器症状
この治療法は、抗アレルギー剤による一時的な対症療法ではありません。特定アレルギー物質に対するアレルギー反応を抑える根治的な治療法です。根治には時間はかかりますが、症状自体は徐々に改善していきます。
またこれは医療保険適応の治療法です。
長年、花粉症などに悩まされている方はぜひ挑戦してみてください。