栄養療法(オーソモレキュラー療法)
オーソモレキュラーとは、もともとオーソは整合、モレキュラーは分子という意味の単語の造語です。つまり分子を整合するということですが、もう少し補足すると、さまざまな体や健康の問題に対しそれを分子レベルで評価して、分子レベルで解決していこうという学問分野です。さらに具体的にいうと、例えば何か症状があるときに、血液検査を行いある栄養素の不足(ここが分子レベルです)が判明したとして、治療としてその栄養素の摂取を増やす、もしくはその栄養素のサプリメントを服用してその症状の改善を目指すというものです。したがって、栄養療法(オーソモレキュラー療法)とは疾患の分野、専門に関わらずさまざまな症状に対応できる新しい治療の考え方です。さらに言うともうひとつの大きな柱は、本来その栄養素が持っている特殊な力を利用し、その栄養素の過不足に関係なくそれを多めに投与しその病態の改善を目指すというものです。例えばがん治療における高濃度ビタミンC療法、パーキンソン病におけるグルタチオン点滴がこれにあたります。
栄養療法(オーソモレキュラー療法)は、ノーベル賞を2度も受賞したアメリカのライナスポーリング博士が1968年に科学誌サイエンスに発表したのが最初です。
したがってまだ50年にも満たない学問分野ですが、最近ますます広がりを見せています。それは現在の西洋薬による対症療法中心の考え方に疑問をもつ医師が増えてきたからだと思われます。現在の西洋薬による治療は、その病態のメカニズムを解明し、その部分にだけ効くように設計製造されたものです。したがってその部分以外には不都合な現象、いわゆる副作用が多く起こります。栄養療法(オーソモレキュラー療法)では栄養素を治療に用いるため副作用はほとんどありません。一時的に特定の栄養素が増えてくるので、体が対応できず一過性の症状が出ることはありますが、その後本来の良い効果が得られるようになります。栄養療法(オーソモレキュラー療法)は、崩れかけた栄養状態が招くさまざまな病態をその栄養素でもって解決させようという極々自然な治療法といえます。
今までの西洋薬で解決できなかった難治といわれる病状にも効果が期待でき、すべての病気に対し試してみる価値のある治療法といえます。
私たちは以前から約60兆個あるヒトの細胞を作る元になる食事や栄養というものに着目し、さまざまな疾患に対し栄養療法(オーソモレキュラー療法)を実践してきました。 ぜひ一度、血液検査による栄養診断を受けてみてください。あなたに不足した栄養素が判明し、ふだん困っている症状を解決する糸口が見つかるかもしれません。